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熱帯性の嵐

『 暴風雨に傘は厳禁 』

  • 二人用台本(BL設定ですが、語尾等変えて男女掛け合いとしてもOK。百合も可。)

  • 登場人物:磯田…傘が壊れた人。金井とは幼馴染で、しっかり者の金井に甘えがち。

       金井…磯田がかなり前から好き。だけど告白したら今の関係が終わっちゃう気がして

       (ありがち)ずっと片思いでいる。ついつい磯田を甘やかしてしまう。

(仲の良い男子高校生が並んで下校中。暴風雨で傘が壊れる。)  

磯田 「うわ…昨日買ったばっかりなのに。」  

 

金井 「バカだなぁ、風が強い日に傘を差したらこうなるって、分かりきってることじゃないか。」  

磯田 「千円もしたから大丈夫だと思ったんだよ!…これ直んねぇのかなぁ(涙目)」  

 

金井 「どれ…あぁ、こりゃダメだ。こことここ、完全に折れ曲がってるじゃん。

    戻そうとしてもバキッていくぜ、これ。」  

 

磯田 「イイ傘だったのになぁ、めっちゃヘコむわぁ。

    っていうかそもそもこの天気何?!雨か風のどっちかにしろよ!」  

 

金井 「自然相手に怒ってもなぁ。誰かに怒りたくなる気持ちは分からないでもないが…。」  

 

磯田 「お前みたいにカッパにすれば良かったか…。」  

 

金井 「今日のような天気の時は実に有効だぞ。

    半乾きの時の牛乳が腐ったような臭いも、なんとも言えない。」  

 

磯田 「それわかる!それが嫌で小学生の時、わざと着なかったもん。

    ズブ濡れで帰ってかぁちゃんにめちゃくちゃ怒られたっけなぁ。…はぁ、今日も怒られるわ。」  

 

金井 「雨の次の日はお前、大体風邪で休んでたもんな。」  

 

磯田 「そうそう、何とかじゃないからさ。デリケートなんだよ。」  

 

金井 「繰り返している時点で”何とか”だろ?帰ったらすぐ風呂に入って身体を温めるんだぞ。」  

 

磯田 「お前、かぁちゃんみたいだな。」  

 

金井 「(少しムッとした)は…、だったら怒らないとなぁ。その傘、元々俺のだし。」  

 

磯田 「そうそう、俺が気に入って買い取ったんだよな。」  

 

金井 「使用済みだからって千円で譲ったけど、本当は五千円だった。」  

 

磯田 「お前、昔から俺に甘いよなぁ。頼めば大抵何でも聞いてくれるし。そんなに俺の事、好き?」  

 

金井 「…かぁちゃんだからな。ほら、さっさと帰るぞ。」  

磯田 「あれ?雨、弱まったんじゃね?」  

 

金井 「もたもたしてると、また風邪ひくぞ!」  

・・・おしまい・・・

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