『 君に咲く花火 』
-
二人用台本(女性二人の百合設定、片思い。男性同士BL設定への変換は大歓迎)
-
五年ぶりに会う友人の”お願い”とは?
-
会話の間に挟まる花火の打ち上げ音がそのリズムを作る、夏の夜のお話です。
A: 5年ぶりの再会を祝して!
A&B:カンパーイ!!
(花火の音)
A:うっまぁ~!このビールってこんなに美味しかったっけ?
B:何度かリニューアルしてるからね、美味しくなってんじゃないの?
A:そんなのわかってるよ~!ここは敢えて、〇〇と飲んでるからって言いたいの!
B:ふふふ、相変わらず調子いいんだから。
A:それで?どうしたのよ急に。お盆なんだし、実家とか行かなくて良かったわけ?
B:うん…どうしても、△△に会って話したくて。
A:え、なになに?…もしかして、結婚か?結婚するのっ!?ちょっとぉ!抜け駆けぇっ!!
B:あたり
A:あたっちゃったよぉ~!そっかぁ!おめでとう!で誰よ、相手は。やり取りはしてたけど全然そういう話にならなかったじゃない?
B:うん…実は、ね。三年前から付き合ってた人がいたんだけど。なかなか、言い出せなくて。ごめんね、隠すつもりはなかったんだけどさ。
A:水臭いなぁ、私と〇〇の仲でしょ?言ってよ、そういう大事な事は。あたし、全力で応援するよ!
B:ありがと。…相手の人はね、会社の上司なの。凄く仕事が出来る人で、人間的にも尊敬出来て
A:うんうん、好きになっちゃったわけか。
B:最初はね、憧れだったの。私もいつか彼女のようになりたいなって。
(花火がどーん)
A:うんうん…ん?(聞き間違いだろうと流す)
B:会社以外でも会うようになってね。食べ物とか、映画とか、好みが殆ど一緒なの。笑いのツボも一緒で。(思い出しては嬉しそう)
A:笑いのツボが一緒なのは大事よ。食べ物の好みなんて、これから一緒に食卓を囲んでいく上で最重要項目だね!そっかぁ…運命の出会いじゃん。いぃなぁ。
B:私も本当に、そうだと思った。彼女しかないって思っちゃった。
(花火がどーん)
A:〇〇…結婚する人って…。
B:その…女性、なの。
(花火がどーん)
A:(音に被せるように)まっじか…?!え、待って待って!!彼氏いたよね?中学の時も、高校の時も!ノーマルだったよね!!隠してた?隠してたの!?
B:性別なんて関係ないよ。私が大好きになった、一生を共にしたいと思った人なの。
A:そ…そっか。
B:披露宴のスピーチお願いしてもいい?
A:…。
B:やっぱり、ダメかな?私の事、気持ち悪
A:(被せて)ごめん無理!…ぁあ、よりによってっ…!もうっ!諦めてたのにっそんなのってないよ(泣)
B:え
A:白状するね、私、〇〇のこと、ずっと、ずーーーっと好きだったの!
(花火がどーん)
B:え
A:そういうっ…意味で、好きだったのぉ!
B:…えっと。
A:私じゃダメなの?ねぇ、だめなの?!
B:…うん。私、〇〇の事大好きだよ。でもそれは友達として。女の人だから、じゃなくて、私はあの人だから結婚したいと思ったの。
A:(涙を拭う)そ、そうなのね。…わかった。
B:スピーチ、だめかな?
A:…引き受けるよ。その代わり、泣いちゃうからねっ!ちゃんと幸せになるのよ!
B:…ありがと。
(花火が打ち上がる)
・・・おしまい・・・