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『 夕焼けのカラス 』
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一人用台本(R18:直接的な表現はないのですが)
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視点はカラス。カーテンの開いた窓の中を覗き見るイメージ。
午後の陽気にまどろんで、その二つは溶けていくように思えた。
溶けて、溶けて、ドロドロに混ざりあっていく。
一見違う色のようで、それは同じくらいグレーだった。
糊のきいた白い布が皺だらけになっていく。
くっついては離れ、またくっついては離れ。
落ちる影は次々に形を変える。
確かな音は聴こえない。
乱れた息遣いと、液音だけが聴覚を支配する。
温度が増した。
共に、湿度が一気に高くなる。
窓の外は夕方を迎える為、光を傾けていた。
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