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『冬』
上記画像はサムネとして使用可能
厳冬を詠ったのは「足跡」に続き二作目。
雪国だからねぇ…。
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木々を着飾った紅葉はいずこに。
踊り狂った落葉はいずこに。
寒風が痛い。
身まで削ぎ落とされるような、
または刺さる様な痛みだ。
西の端では白波が荒れ狂い
これでもかと打ちつける。
黒く染まった海岸には
波の花が咲いている。
逃げ場を奪う、白の世界。
立ち止まれば次々と降る雪に埋もれ、
身動きがとれない。
この季節に、私達は戦いを挑むのか。
「おはよう」
窓の外が一段と明るい。
そんな日、
カーテンをめくると
一面の白が庭を覆っている。
陽の光に反射して、きらきらと美しい。
眩しい世界に心が踊り、
我先にと跡をつける。
年が明ける、冬の日に。
✼✼✼ おわり ✼✼✼
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